【体験記】GMAP-BF

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「まあ、試験まで3か月もあるし、なんとかなるだろう」

昇格試験でGMAP-BFを受けなければならないことを知ったのは、試験日のちょうど3か月前だった。根拠はないが、なんとなく大丈夫な気がしたので、1か月ほど何もしなかった。

「2か月前だし、そろそろ取り掛かるとするか」

重い腰を上げて、情報収集を始めた。

手始めに試験を作っているグロービス社のサイトを見てみる。

「げっ、試験科目が6科目もある。科目名は聞いたことがあるけど、勉強したことがないものばかりだな……」

対策方法がよくわからなかったので、前年に試験を受けた先輩にヒアリングした。

「正直、どんな対策したらよかったのかよくわからん。とりえず、マネジメントブックを読むことは必須かな。あと、アカウンティングとかで出てくる指標の計算方法は覚えておいた方がいいかな。ちなみに試験はグロービスのサイトに掲載されている一問一答だけじゃなく、ケーススタディもある。試験時間はかなり短いから結構大変やで」

どうやら、結構大変な試験らしい。

最後に、Webで情報を収集した。

いくつかのサイトに情報があったが、正直何が正解なのかよくわからなかった。

「よくわからんけど、とりあえずお薦めされている本を買ってみるか」

軽いノリで何冊か本を買った。いよいよ、勉強に取り掛かる。手始めに基本と言われているマネジメントブックを読みはじる。しかし、読み始めてすぐに心が折れた。

私は理系で、入社以来技術系の仕事をしている。ビジネスフレームワークには全く興味がなく、当然勉強もしたことがなかった。会社の中で使われている、長期経営計画、中期経営計画など一部の単語を聞いたことがあるというレベルである。そんな感じだから、日本語で書かれているにも関わらず、ビックリするぐらいわからなかった。

「1冊目ですらこんな調子なのに、MBAマネジメントブックⅡもあるし、ケーススタディの本もあるし、問題集もある。昇格試験は、これだじゃないし、当然仕事もある。どう考えても2ヵ月で全部の本を消化するのは無理だな……」

「で、どうするよ?」と考えた結果、

「いいスコアは望まない。とりあえず社内合格点の500(全受験者の平均点)を超えることだけを目標にしよう」

そう考えて、対策は、グロービスが勧めている「MBAマネジメントブック」を読むことだけに絞った。正直、問題を解かないことはかなり不安だった。ただ、買った問題集をパラパラっとめくってみたが、MBAマネジメントブックと内容が完全に一致しているわけではなかった。問題を選別する時間がもったいないと感じたので、思い切って問題集もやらないことにした。結果的には、これが良かったと思っている。

そして、分厚い本を読み始めた。

「予備知識がないというのもあるが、本当にこの本は読みにくいなぁ。具体例がないから、内容も理解しにくいし。試験じゃなかったら絶対に読んでいないな」

本を読み進めるのは正直、辛かった。

ただ、そんな時は、

「私が目指しているのはスコア500だから、本の内容をすべて完璧に理解する必要はない。気楽に考えよう」

そう思って、わからないところはかなり読み飛ばしながら、1日1章のペースでテスト範囲を1回読み終えた。

「とりあえず、試験範囲は一度は目を通した。何について書かれているかは分かったけれど、中身はほとんどわからなかった」

すぐに2回目に取り掛かる。1回目と同様に、さらっと本を読む。

「1回目より見たことがある単語が出てきた。でも、よくわからない理論や単語が多いな」

ここで、本の内容を理解することにした。今の時代、調べたい情報はWebで調べるとすぐに出てくる。わからない単語や理論を片っ端から調べていった。

そして、3回目。

「わからないところを一度調べているので、だいぶ読み進めやすくなっているな。加えて、本で書かれている内容と自分の会社や身近なものを結び付けてみるのはよかった。イメージが一気にしやすくなってきた。しかし、相変わらず単語が覚えられない……」

4回目、5回目。

「わかっているところと、わかっていないところの偏りがあるな。わかっているところは飛ばして、わからないところだけ読もう。あと、細かいところは覚えきれていないな。でも、まあいいや。試験に出たら出たで、諦めよう」

あとは昼休みとか通勤の隙間で、企業会計・ファイナンスに出てくる指標の計算式を覚える。はじめはよくわからなかったし、頭に入ってこなかったけれども、本の内容を理解するにつれて、覚えやすくなってきた。

こんな感じで1か月半ほど受験対策をして、試験当日を迎えた。

まずは「マーケティング」から始まった。

最初は一問一答形式の問題。

「これは本に書いてあった内容だ。よかった」

次も一問一答形式の問題。

「よくわからんけど、たぶんこれかな?」

そして、ケーススタディの問題。

「うわ。意外と長いな。で、何が問われているんだ……。ああ、あの内容か。一つ目は分かるけど、二つ目はさっぱり分からん。時間もないし、これでいいや」

こうして問題を次々に解いていく。30問を20分で解くので、1問に悩みすぎて時間切れになるのは避けたい。分からない問題が出てきても、そこで立ち止まるのではなく、当てずっぽうでもいいのでとりあえず回答して最後までやり切ることにする。

あっという間に、「マーケティング」の試験が終わった。5分間の休憩を経て、続いて「経営戦略」の試験が始まる。こんな感じで、6科目の試験を終えた。途中に休憩があるとはいえ、20分×6科目はかなり疲れた。

科目によってばらつきはあるが、「自信を持って回答を選べたのが、3割」、「たぶんこれが正解のはず……が、3~4割」、「よくわからんから、当てずっぽうで鉛筆転がしたのが、3~4割」といった感じだった。あと、問題を解いていて、「何、この単語?」となったのは全科目を通して、1つだけだった。結果的に、MBAマネジメントブックの内容だけで、試験に出てくる内容は十分にカバーしていた。結果がどうなっているかはわからないけれども、とりあえず試験を終えた。

そして、3か月後。忘れた頃に試験結果が返ってきた。

「総合スコア674」

想像していなかった結果に驚いた。実力というより、本当に運よく取れただけだと思う。ただ、いいスコアが取れたことよりも「当初の目的の500を超えていた。もうあの読みにくい本を読まなくていい」というのが正直な感想だった。

試験を終えてしばらく経つが、MBAマネジメントブックは本棚の隅に置かれているだけで、試験以来開いたことはない。きっと、もう読むことはないだろう。ただ、これまでの人生で5回も繰り返し読んだ本はない。
そう考えると、あの読みにくかった本にも、なんだかいい奴に思えてきた。

このページで出てきた本

  • グロービスMBAマネジメント・ブック

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