【体験記】ケーススタディ

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「ケーススタディってどんな試験ですか?」
「実際の職場で起こりそうな問題がいくつかあって、それに対する対策を立てるって試験かな。特に対策はしなくても大丈夫だよ」
「そうなんですね。当然記述式ですよね……」
「そうそう。問題用紙も回答用紙もA3用紙1枚分だったよ」
「なるほど。ありがとうございました」

対策しなくても大丈夫と言われて、ホッとしたものの試験内容を聞くと妙に不安になる。というのも、昔から国語が苦手だったということもあり、記述式には苦手意識がある。あと、何かの問題が発生して、それに対する対策を立てるというのは、実際の現場でもよくあることだが、自分ではあまり得意ではないと思っている。

「対策しなくて大丈夫とは言われたものの、そのまま対策もせずに受けるのはやはり不安だな」

しかも、今回の昇格試験は、ケーススタディも含めて5つの試験が行われる。
昇格の合否基準は、NGが1つなら、その試験の再試験か与えられた課題をこなすことでギリギリセーフになるのだが、NGが2つなら、昇格見送りとなる。そうなると、次の年も試験を受けることになるのだが、それだけは避けたい。ということで、とりあえず試験について考えてみた。

「ケーススタディを解いていくプロセスは、ビジネスにおける課題解決のプロセスでいいよな。問題を見つける、課題を設定する、アクションプランを作る、の3ステップになるよな」
「問題がいくつかあるということは、文章中から問題を見つけるところからはじまる。問題とは何かというと、あるべき姿とギャップがある状態ってことって言える」
「あるべき姿をどう置くか。明確な目標が書かれていれば決めやすいけれども、そうでないなら自分で置くしかない。まずはここがポイントになりそう」
「次に課題設定。どのように設定するかな。正しく課題設定するためには、なぜ問題が発生しているかという深掘りが大事だよな。問題の根本をおさえて、それに対する対策を課題設定としないと」
「最後にアクションプラン。誰が、何を、いつまでに、を明確にしなければいけないよな。ただ、これも問題によって変わるよな」

プロセスを確認したものの、いまさらこれらの力をつけるのは難しい。不安はあったが、ぶっつけ本番で試験に臨むしかない。

試験当日になった。
休憩時間はあるものの、約5時間で3つの試験を受ける。
最初の試験がケーススタディだった。

ケースステディの内容はこうだった。

自分は機器販売会社の係長で、部下はベテラン、中堅、新人の3人。
売上が伸び悩んでいるので、営業プロセスの改善提案を求められている。係としての方針を決めて、次週に課長に報告しなければいけない。
加えて、先日、新人が大口顧客に新商品のプレゼンをしたところ、かなり不評だったようで、顧客から怒りの電話がかかってきた。購入予定であったが、購入を見送るとの連絡があった。

これに対して、1)課題を整理して列記せよ、2)課題に対する解決方法を、優先順位を考えつつ、具体的に記載せよ、という問題だった。

「まず、問題は売上が伸び悩んでいることと、顧客対応がきちんとできていないことの2つだよな。ということは、あるべき姿は、売上が上がっている状態と、顧客の期待する対応ができていることかな。問題とあるべき姿を見つけやすくてよかった」
「ここから、一番大事な深掘りのプロセスだ。まず、売上が上がっていない状態の方から。原因となる事柄が書かれている箇所は、どこかな……。文中には訪問回数ではなく、製品の機能を説明しきれていないことが原因のように書いているな。でも、そもそも製品自体が顧客の要求を満たしていない場合もあるよな。どこまで考えればいいのか微妙だけど、試験時間も限られているし、仮定を置いて進めるしかないか」
「ロジックツリーを使って深掘りして根本原因を見つけて、その内容を反転して課題と設定して。あとは、自分が対応することと、どの部門を巻き込むかを決めて、具体的な指示を書いて……」

といった感じで、時間ギリギリまでかかったが、とりあえず書いた。数か月して、評価結果が返ってきた。問題把握3点、対策立案4点、役割理解2.8点の総合3.3点だった。スコアが5点満点中3点以上で合格なので、とりあえずほっとした。

特に対策はしていなかったものの、事前に回答していくプロセスを明確にしておいたのが良かった気がする。ただ、返ってきた結果がなんとも微妙だったし、課題解決スキルアップガイドというものが配布されたが、「で? 具体的にどうやったらよかったの?」というのがピンとこず、モヤモヤが残った。

数年後、大型の本屋に立ち寄った時、ふとある本が目に入った。

「続・企業内研修ですぐ使えるケーススタディ」

なんと、試験を実施した会社がケーススタディの本を出版していたのだ。

「事例が多く載っているな。ああ、ここが気づいてほしいポイントなんだな」
「原因分析は、この視点も必要なんだな……」

今後、ケーススタディを受けることはもうないとわかりつつも、気づけば本を買っていた。家に帰って、すぐに一通り読み終えた。

「あの時の回答は、こう書いたらよかったんだろうな。ということは、ケーススタディの解き方はこうした方がいいよな」

もう二度と試験を受けることはないので、自分には何の役には立たないかもしれないが、昔のモヤモヤがスッキリしたのは、とても良かった。

このページで出てきた本

  • 続・企業内研修にすぐ使えるケーススタディ-自分で考え、行動する力が身につく

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